music of the year 2018
はじめに。
この5年間で7回も、僕に東京まで足を運ばせてくれた、僕にとっては不世出のアイドルグループ、バニラビーンズが、2018年、その歩みを止めました。僕のこの5年間の、生きているという実感の、そのいくつかが彼女たちのおかげであることに、疑いの余地はありません。本当に、ありがとうございました。
going my way ~ とある家族がバニラビーンズを追いかけた8年間
では、2018年、アルバムベスト10です。
10. Sunflower Bean / Twentytwo In Blue
9. Arctic Monkeys / Tranquility Base Hotel & Casino
8. The Voidz / Virtue
7. ものんくる / RELOADING CITY
6. Tracey Thorn / Record
- アーティスト: トレイシー・ソーン,アンドリュー・ウェザオール
- 出版社/メーカー: Hostess Entertainment
- 発売日: 2018/03/02
- メディア: CD
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5. 七尾旅人 / Stray Dogs
4. 古澤ひかり / 古澤ひかり
3. Homecomings / WHALE LIVING
2. Yo La Tengo / There's A Riot Going On
There's A Riot Going On [帯解説・歌詞対訳 / オリジナルステッカー封入 / 国内盤] (OLE13482)
- アーティスト: Yo La Tengo,ヨ・ラ・テンゴ
- 出版社/メーカー: BEAT RECORDS / MATADOR
- 発売日: 2018/03/16
- メディア: CD
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1. AL / NOW PLAYING
2018年になって1ヶ月も経たないうちに聴いた1枚の、再生ボタンを押して1分も経たないうちに得たこの確信は、2018年を終えようとしている今に至るまで、ついぞ、いささかも揺らぐことがなかった。
今となってはツイッターでブロックされるに至ったある音楽ライターが何年か前に「小山田壮平が『宇宙の果てはこの目の前に』と歌う時、本当に宇宙の果てはこの目の前にあるのだ」と書いていたことを憶えているけれど、それは本当に正しくて。
初めて僕らの前に現れた時からずっと、彼は、彼の眼に映るものしか歌っていないし、彼は、彼にとって本当のことしか歌っていない。生と死を同時に感じさせた時は、生と死が等しく彼の隣にあったんだろうし、あまりにも濃厚な死の匂いが漂っていた時には、死がすぐ近くにあったんだろうし、そして「NOW PLAYING」と題されたこの録音作品を聴いている時ほどに、「今、この瞬間を生きているのだ」と感じられる時間は、そうそうあるものではない。
今の音楽とか、海外の音楽シーンの動向とか、そういうのには年々ついていけなくなってきているし、正直なところそういうのは年々どうでもよくなってもきているし、結局のところ僕は、音楽を聴いて、生きているということを感じたいんだと思う。生きることは生きるに値することだと、それを信じたいんだと思う。「今、生きている」と、そう感じながら生きたいんだと思う。
時にスピリチュアルが過ぎる箇所があるのではという危惧は、初めて聴いた時から今に至るまで拭い去れないままだし、彼の眼に映るすべてが僕の眼にも映っているとも、彼の願いのすべてに僕の願いのすべてが重なっているとも、まだ信じ切れてはいないけれど。
それでも。
その歌声は、その存在は、初めて僕らの前に現れた時と同じ純度で、そして、今までになかった真っすぐさで、生きることを志向している。生きることを、謳歌している。2018年、年間ベストアルバム。