Vivian Girls / Share The Joy

Share The Joy

Share The Joy

「Vivian Gilrs」って、自分たちにこのバンド名を付ける時点で、もう素敵。

タワレコの試聴コーナーで見つけて、試聴もロクにせずに買ったんだけど、これは当たり。2nd「Everything Goes Wrong」とこの3rd(1stは国内盤未発売、輸入盤もタワレコに置いてなかった)を同時購入したんだけど、僕は断然この3rd派。2ndも悪いわけでは勿論ないんだけど、こっちの方が単純に曲のバリエーションが幅広くなってて、音も聴きやすくなってる。どちらも所謂「ローファイ」で「ガレージ」な音であることに変わりはないんだけど、それだけにはとどまらない音になってる。ガールズのバンド名に相応しいガーリーポップもあり、ガールズというよりはウィメン的な、気だるいロックもあり。でもvoの声は、紛うことなきガール。

国内盤ライナーノーツに拠れば、彼女たちは本作が3枚目というキャリアにして既にドラマーは3代目。2ndアルバム時に在籍していた先代のドラマーは現在、Best Coastで活動しているとのことで。

全曲同じことしか歌っていませんし、全曲同じ音しか鳴らしていない気もしますが、それ故に良い音楽だと思います。

music of the year:2010でBest Coastを5位に選出した際の僕の一言コメントは上記の通りなんだけど、多分そういうことなんでしょうね。それはそれで素敵なこと。それはそれで素敵な音楽。そしてVivian Girlsは、そうでない道を選んでいこうと思ったんでしょう。色んなことを歌って、色んな音を鳴らしていこうと思ったんでしょう。そうは言っても誰にでも出自はあるから、「ローファイ」で「ガレージ」な音、という枕詞はこれからもしばらくは背負っていくんだろうけど。

んでこうやって書いた文を読んでもらうと、この3rdのアルバムタイトルが、より素敵に響いてきませんか。
「Share The Joy」。楽しみをわかち合いましょうよ!
ローファイリスナーにも、ガレージリスナーにも、それ以外の色んなリスナーにも、彼女たちが音を鳴らす楽しみが伝わると良いなあと、そして彼女たちと楽しみをわかち合えると良いなあと、このアルバムを聴いていると、そう思います。