20190105
ついに、ついにサブスクリプションサービスを利用して音楽を聴き始めてしまった。登録だけはするだけはして、あとは放置していたSpotifyを、年明けとともに本格的に活用するようになってしまった。利用してまだ数日なので、評判のいいおすすめ機能とかは活用されていないけれど、おすすめされたい。音楽を聴き続けて20年以上になるので、もうある程度自分の好みというものは自分で把握しているつもりだけれど、まだ掴み切れていない自分の好きな音楽があるというのならば、ぜひ、ぜひにおすすめしてほしい。
ちょうど中学生になったくらいの頃、CD全盛時代に田舎で音楽を聴き始めた。その数年後には音楽雑誌の購読も始め、音楽と文章を一緒に楽しむことを知った。その数年後、音楽を聴き始めてから10年弱が経った頃、ようやく初めてのライヴを体験し、それから間もなく、初めてのフェスも体験した。音楽は、1人の部屋で聴くだけのものではないんだと知った。働き始めてしばらくたった頃になけなしの給料でiPodを買って、アルバム単位だけではない、曲単位での音楽の楽しみも知った。その数年後には、ツイッターで知り合った友達と一緒に、クラブなんてものに行ってたりもした。
中高生の頃はいつも地元商店街の楽器屋さんでCDアルバムを買っていたから、大学生になってから初めて行ったタワーレコードが、本当に夢の島に思えた。就職して帰ってきた田舎にはタワーレコードはなかったけれど、町の複合書店でもそれなりの品揃えがあった。だけども年を追うごとにCDコーナーは小さくなっていき、書店そのものが閉店してしまった去年の時点で僕は、amazonのヘビーユーザーになっていた。数年後の僕は、amazonとSpotify、どちらの上得意さんでいるんだろう。
変わっていくことはこれまでもこれからも数多くあるんだろうけれど、わかっていることがたぶんひとつだけあって、音楽のことは、これからも好きでいるんだろうってこと。
1人の部屋で膝を抱えて聴く音楽。音楽雑誌を読みながら難しい顔して聴く音楽。ライヴハウスで大音量で聴く音楽。フェスで太陽の下で聴く音楽。iPodで散歩しながら聴く音楽。クラブで酔っ払い踊りながら聴く音楽。
町の楽器屋さんで顔見知りのおばちゃんから買う音楽。タワーレコードで夢の島の住人さんから買う音楽。amazonでサブスクリプションで、ネット越しに買う音楽。
そこに優劣をつけようと思えばつけられるけど、まとわりついているものに優劣をつけても、あんまり意味がないような気もする。
僕は音楽が、生きることにまとわりついている音楽が好きなのであって、そんな音楽のことはいろいろ考えてみたいと思う時があるけれど、音楽にまとわりついているものに、さらにまとわりついて考えようとまでは、今のところ思っていないので。
生きることにまとわりついてくる、そんな音楽のことを、これからも好きでいられたらいいなと思っている。
music of the year 2018
はじめに。
この5年間で7回も、僕に東京まで足を運ばせてくれた、僕にとっては不世出のアイドルグループ、バニラビーンズが、2018年、その歩みを止めました。僕のこの5年間の、生きているという実感の、そのいくつかが彼女たちのおかげであることに、疑いの余地はありません。本当に、ありがとうございました。
going my way ~ とある家族がバニラビーンズを追いかけた8年間
では、2018年、アルバムベスト10です。
10. Sunflower Bean / Twentytwo In Blue
9. Arctic Monkeys / Tranquility Base Hotel & Casino
8. The Voidz / Virtue
7. ものんくる / RELOADING CITY
6. Tracey Thorn / Record
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5. 七尾旅人 / Stray Dogs
4. 古澤ひかり / 古澤ひかり
3. Homecomings / WHALE LIVING
2. Yo La Tengo / There's A Riot Going On
There's A Riot Going On [帯解説・歌詞対訳 / オリジナルステッカー封入 / 国内盤] (OLE13482)
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1. AL / NOW PLAYING
2018年になって1ヶ月も経たないうちに聴いた1枚の、再生ボタンを押して1分も経たないうちに得たこの確信は、2018年を終えようとしている今に至るまで、ついぞ、いささかも揺らぐことがなかった。
今となってはツイッターでブロックされるに至ったある音楽ライターが何年か前に「小山田壮平が『宇宙の果てはこの目の前に』と歌う時、本当に宇宙の果てはこの目の前にあるのだ」と書いていたことを憶えているけれど、それは本当に正しくて。
初めて僕らの前に現れた時からずっと、彼は、彼の眼に映るものしか歌っていないし、彼は、彼にとって本当のことしか歌っていない。生と死を同時に感じさせた時は、生と死が等しく彼の隣にあったんだろうし、あまりにも濃厚な死の匂いが漂っていた時には、死がすぐ近くにあったんだろうし、そして「NOW PLAYING」と題されたこの録音作品を聴いている時ほどに、「今、この瞬間を生きているのだ」と感じられる時間は、そうそうあるものではない。
今の音楽とか、海外の音楽シーンの動向とか、そういうのには年々ついていけなくなってきているし、正直なところそういうのは年々どうでもよくなってもきているし、結局のところ僕は、音楽を聴いて、生きているということを感じたいんだと思う。生きることは生きるに値することだと、それを信じたいんだと思う。「今、生きている」と、そう感じながら生きたいんだと思う。
時にスピリチュアルが過ぎる箇所があるのではという危惧は、初めて聴いた時から今に至るまで拭い去れないままだし、彼の眼に映るすべてが僕の眼にも映っているとも、彼の願いのすべてに僕の願いのすべてが重なっているとも、まだ信じ切れてはいないけれど。
それでも。
その歌声は、その存在は、初めて僕らの前に現れた時と同じ純度で、そして、今までになかった真っすぐさで、生きることを志向している。生きることを、謳歌している。2018年、年間ベストアルバム。
album of the year 2017
1. U2 / Songs of Experience
U2を聴くきっかけになった出来事を、今もはっきりと憶えている。高1の時に「ブラーの新作が良いです」と書いて出した連絡日誌に、担任の教師が「僕はU2の新作『POP』が楽しみです。毎日ロッキング・オンを読んでワクワクしてます」と返事をしてくれたことだ。こまっしゃくれてクソ生意気だったタケナカ少年が数少ないながらも出会えた、敬愛すべき教師、ナカガワ先生。連絡日誌に勉強のことを一切書かなくても何の小言もなく、連絡日誌に音楽のことを書いた時はいつもより返事がちょっと長かった、ナカガワ先生。奥さんとの出会い、奥さんへの愛を、照れながらもまっすぐに語ってくれた、ナカガワ先生。そんな先生が大好きなバンド、U2を、僕も聴いてみようと思ったのです。
あれから20年が経ちました。先生、今も元気にしていますか。先生が大好きだったU2を、僕もあれから20年聴き続けてきました。あれから20年経って発表されたU2のニューアルバムを聴くたびに僕は、先生と話した時のことを思い出すのです。
「Love is all we have left」
「Get out of your own way」
「Love is bigger than anything in its way」……
ニューアルバムでボノが歌っていることが、先生が僕に伝えてくれたことと、重なって聴こえてくるのです。先生が、このニューアルバムをどんな顔をして聴いているのかを想像します。瞼を涙でいっぱいにしてこのアルバムを聴いている、そんな先生が目に浮かんできます。そんな先生を思い浮かべながら僕は、瞼を涙でいっぱいにしてこのアルバムを聴いているのです。先生が大好きだったU2のことを、あれから20年が経って、ついに僕も大好きになったんだと、そう思うのです。
「You're the best thing about me」
出会って20年が経っても、会わなくなって20年近くが経っても、僕は先生と出会えたことを、僕の人生の中で最高の出来事のひとつだと思っています。そんな経験が出来た幸せを、あの頃の僕のような誰かに、照れながらもまっすぐに伝えられる、いつか僕にも、そんな日が来るといいな。
ソングス・オブ・エクスペリエンス(初回限定ソフトパック仕様)
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U2 - You’re The Best Thing About Me (Official Video)
2. For Tracy Hyde / he(r)art
For Tracy Hyde - 2nd Album『he(r)art』 Trailer
3. Lana Del Rey / Lust for Life
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4. Julie Byrne / Not Even Happiness
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5. St. Vincent / Masseduction
6. Melanie De Biasio / Lilies
Melanie De Biasio - Gold Junkies
7. Noel Gallagher's High Flying Birds / Who Built The Moon?
Noel Gallagher’s High Flying Birds - Who Built The Moon? Official Album Trailer
8. The xx / I See You
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The xx - On Hold (Mercury Prize Performance)
9. Cloud Nothings / Life Without Sound
Cloud Nothings - "Modern Act" (official music video)
10. Suchmos / The Kids